マレーシア・ペナンのゴーストマンスとは? Hungry Gohst Month Penang

2016年の旧暦によると8月3日は7か月の月(Seventh Month)と言われ、「ゴーストマンス」に入ったと言われる日です。

チャイニーズのカレンダーをご覧ください。
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年末になるとガソリンスタンドやスーパーマーケットなどで配っているこのカレンダー。

横読みではなく、縦読みで、最初は使い辛いと思うのですが、慣れてくると便利です。
全てのマレーシアの行事が把握できます。

8月3日にフォーカスすると、7月初日と書いていますね。旧正月から数えての7月1日になります。

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なので、この日はご先祖様が天国から降りてくる日と言われています。
日本で言うお盆に当たるでしょうか。

日本と少し違うのは、この月には地の門が開いて、天国に行けなかった悪い魂も一に降りてくるということ。なので、その悪い魂が現生の人々をあちらの国に引き込もうとするそうです。

魂は水辺に潜みやすいと言われているので、この時期はプールや海で泳いではいけません。
魂は鏡や写真に映ると言われるので、鏡を見てはいけません、写真を撮ってはいけません。
魂は夜に放浪していると言われるので、夜は早く帰りましょう。
魂はお腹が空いているので、お供え物をしましょう。

日本でもお盆の時期には水の事故がなぜか多いですよね。
小生も小さいころにはお盆は絶対に泳いじゃだめだと言われていました。
足をひっぱられるよと。

この時期に心霊写真とか、竹中直人の怪談話が出てきますね。

それから年配の方々は、この時期に美容室に行くのも控え気味です。鏡を見てしまうからですね。現代の方々はそうではないようですけれど。

お供え物が道端に置いてあるのは、魂がお腹を空かせて悪さをしないように。
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「ハングリーゴースト」、つまり「餓鬼」に食べ物を施すわけです。
食べ物があるという目印になるように、明かりをつけ、家の軒先で紙に火をつけて燃やしたり、線香やろうそくを焚いているのです。
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あの世で使ってもらうためのお札や紙幣、お守りなども燃やします。
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このお線香のけむりが出る頃にヘイズ(煙害)も同時に始まると言われています。

その他、ゴーストマンスは起業や結婚、あらゆるめでたいイベントは控えた方がいいと言われています。


ちなみに、旧暦の7月15日(2016年は8月17日)は「中元節」と呼ばれるゴーストマンスの真ん中の日です。

WEBLIOによると、
日本では、‘江戸時代から先祖への供物と共に、商い先や世話になった人に贈り物をするようになり、この習慣を特に中元と呼ぶようになった’と言われています。

中国では、‘中元は地官大帝(もしくは赦罪大帝)の誕生日であり、さまざまな罪が赦される贖罪の行事が催される。
また、地官大帝は地獄の帝でもあるため、死者の罪が赦されるよう願う行事も催される’とあります。

なので、初日と中元にはガーニードライブのホーカーセンター辺りでは深夜にも渡る贖罪の京劇が行われています。
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大きなステージが設けられカラフルな衣装を来た歌い手さんが静かな夜を賑わせます。
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ガーニードライブ付近にお住まいの方は、夜な夜な響き渡るカラオケと共に眠りにつくわけです。
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ところで、中国や外国とのゆかりが深いと言われる小生の故郷長崎では、「精霊流し」がお盆の最終日に行われていました。

親戚同士で集まり、浴衣を着て、ぼんぼりやお供え物をいっぱいに乗せた小さい船を静かな海辺にそうっと流し、ご先祖様が天国へ無事に帰れるように見送っていたものです。

波のない暗い海に100隻も200隻もの明かりを灯したその風景を見るのが夏休みの風物詩でした。

20120815006_DAT_20120816062724001※精霊流しのイメージ(出典:47NEWS)

ペナン島は季節感のない常夏の島ですから、ここに何年も住んでいると、こういった行事で四季を感じて行くようになります。

今年も夜な夜なカラオケの季節になったんだなあと。

日本ではこのような行事に力を入れなくなったので、四季さえあれどなんとなく淋しくなった気がします。

このような昔ながらの風習や伝統を頑なに受け継ぎ、実行するローカルの方々の姿は尊敬の念でいっぱいになります。

どうかこの深夜の歌声が、10年後も100年後の後世にも引き継がれていきますように。

 

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