このイスラム国家で豚を食べて、アルコールを飲んで、犬を飼う。時々、住む国を間違ってしまったのではないかと思ってしまうことがあるのです。 たまたまアルコールと相性がよくて、たまたま出会ってしまったワンと一緒に暮らすことになり、今までは3番手だったポークがこの国に来てから好きになり。 日本に住んでいた時は、そこまで執着しなかったポーク。 なかなか手に入れるのが難しいと聞けば、美味しい部位をいただく瞬間って、最高ですよね。 マレーシアでは、ポークはノンハラルなので、スーパーマーケットなどでも別の窓口で買うのが常識となっています。 まあ、売られているだけでもありがたいです。 テスコ、コールドストレージ、プラウティクスマーケット、タンジュンブンガマーケットが主なポークの窓口となっています。 ただ、日本みたいに部位が少ないですね。(←知らないだけかも) 特に市場などに行っても、たくさんのお肉の塊がぶら下がっていて、慣れないと、どのポーションを買って良いものかわからないものです。 おなじみの肩ロース(ショルダー)、バラ(ベリー)、細切れミンチ(ミンスポーク)など、ここまでは何とかわかりそうですが、ここより先は地道に通って、店員さんとトークしながら目を肥やしていくしかなさそうです。 ペナン島で豚が一番新鮮に扱われているところ。 小生が知っている限りではこちらセシルマーケットではないでしょうか。 Cecil Market (地図) ジョージタウンのコムターや日本人学校からすぐ近くです。 ここは、アフタヌーンマーケットと言って、お昼から夕暮れにかけての営業時間となります。 薄汚いガレージに入ると、そこはお昼の暑い最中からローカルの人たちの活気でいっぱい。
お野菜はもちろん。
卵はウズラまで。
魚介類に。
見たこともない、「なんじゃこりゃー?」っていうお魚も並んでおります。
手前左手はハマグリ。 ボンゴレパスタを作る時や、クラムチャウダー、またはそのまま酒蒸しにしたり。 手前右手はララ貝。こちらも蒸し焼きにしたりして美味しいです。 奥はタコもあります。 こういう貝類って、中身が入ってなかったり、泥が詰まってたりとけっこう騙されることがあるじゃないですか。 しかし、おばちゃま達がひとつひとつ貝と貝をぶつけて「カンカン」って叩いて、中身をひとつひとつ確認作業をしている光景に胸を打たれます。 本当に気の遠くなるよな、地道な作業です。
これだけ、500g買ってもたったの数リンギ。
あ、今日は、こっちの貝類ではなくて、ポークのお話でしたね。 そうそう、ここのマーケットは、だいたい午後2時くらいでしょうか。 ドナドナド〜ナ〜とトラックに運ばれて豚さんがやってきます。(←古い) 裏の専用口のところにそのトラックは止まり、そして後ろのドアが開きます。 中から出てくるのが豚さん。 その姿に一瞬、目をつむりたくなる光景です。 でも是非一度、行って見に行ってみてください。 私たちが日頃、美味しい美味しいと食べている豚さんの現実が目の前に現れてくるのです。 豚さんの胴体は左右真っ二つに割られており、見事に体を鍛えたおじちゃま達が、それを威勢良くトラックから市場の台へと運びます。 豚さんの半体は50キロくらいあるでしょうか。 それをおじちゃま達は肩に乗せて、ぶよんぶよんと担いで、「えいっ」と台に乗せていきます。 何体も何体も運び、トラックが空になったらドアは閉められます。 全てが運び終わる頃、おじちゃま達の白いTシャツは、血で真っ赤に染まっています。 そこから、今度は鋭いナイフを持ったおじちゃま達が細かく丁寧にパーツを分けていく作業にバトンタッチされます。 この光景を初めて見た当日は、怖くて切なくて、しばらく豚を食べれませんでした。 夢の中にもこの豚さんのことが出てきたりして、とてもショッキングな映像でした。 だけど、犠牲になる命があって、我々は健康に生きているということ。 豚だけではなく、鶏や魚、あらゆる生き物を食している人間は全て罪になるのです。 だけど、それを毎度ありがたく頂戴し、残さずに食べること、そうすることで罪は免れるのではないでしょうか。 少なくともそう考えるようになってからは、以前よりももっと美味しくお肉を今ではいただけるようになりました。 そう、今ではこの午後2時頃を狙って、豚さんコーナーに出没する小生なのです。 狙いは、ポークの舌。タンですね。 一頭からひとつしか獲れないので貴重です。 舌と喉までつながっている部位で⒊,⒌リンギ(100円)です。 だいたい、業者の方が買い占めるので、あったらラッキーという感じです。 今日は見事にゲットしましたので、それをご覧いただきましょう。
すごいでしょう。 これは包丁で喉と舌を切り分けて、臭い消しにレモン塩水にしばらく浸しといて、それから一度冷凍して凍ったまま切りました。 黄色いのはレモンの皮です。
これを、焼肉鉄板で焼いていただくのですよ。 七輪焼きも良さそうですね。
ジュウジュウ。 そして、ごま油と天然のお塩とレモン汁でいただく豚タン。
ふわぁ〜。 この域に到達するまで、ほんと長い年数がかかりました。。。。 この豚タンが100円そこそこでたらふく食べられるなんて。。。。 今日はマレーシア上級編のお話でした。 参考までに読んでいただき、ありがとうございました。 以上、セシルマーケットのリポートでした。 ボンボーノ@ペナン