せっかく東南アジアの多民族国家に住んでいるわけだから、たまにはインド系のカレーでも食べに行きましょうか、ということで前々から噂には聞いていたインド人のお店に行ってみました。 マレーシアには大まかにマレー系6割、中華系3割、インド系1割、そして外国人労働者と言われる人々が暮らしていると言われています。 インド系の人々はその昔、ペナン島がかつての貿易の要衝の街であった時代からの重要な労働力として本国から連れてこられた人が多いと言う。 本国のインド人よりもインド人らしい慣習や伝統を受け継ぎ、今や本国では禁止されている、毎年2月頃に賑わいを見せる「タイプーサム」の行事などもペナンでは見ることができます。 そんなインド人の方々のお料理もきっと代々のお味を引き継いでいるのでしょうか。 今回覗いてみましたのはインドコテコテのこちらのお店です。Restoran Tajuddin Hussain SDN BHD (地図 ) 52C & 49 Queen Street 10200 Penang Tel 04-262-5367/262-8954 Closed on Sunday ペナンインド人街のど真ん中に位置します。
周りには花屋さんや、インド系の屋台があったりして。
なんだかインドに来ちゃった?と錯覚してしまうエリアです。 夕方の日も暮れる時間になるとたくさんの地元民や観光客が屋台でカレーを食べています。 では我々はレストランへ入ることにしましょう。
入り口には何やらコネコネしている、そうピザ職人ならぬ、「ロティ職人」です。
ロティとは、全粒粉(小麦粉でしょうね)と水を発酵させないでカリッとフライパンで焼いたもの。 日本人には、発酵させて釜でふっくらと焼いたモチモチ感のある「ナン」の方がなじみがありますね。 だけど、ペナンではどこに行ってもロティが主流です。 調べてみると、ナンは釜で焼かないといけないのですから、レストランで食べるもの、または買って帰るものなんだそうです。 なので一般の家庭では、簡単に作れるこの「ロティ」を主食としているそうです。なるほど。
お店に入ると、奥の方にキッチンがあって、そこでみなさんオーダーしています。 スタッフはみんなちょび髭の生えたインド人男性。 大きな鍋の中には、たくさんのカレーが入っています。それを見ながら指さしでオーダーします。
一応、メニューボードもありますが、どれも一皿5リンギくらいですね。 先ずは辛くないといわれたこのマトンカレー。
小さい小皿で、ちょび髭お兄さんがお皿を持って、半分カレーに指を突っ込んだ状態で持ってきてくれます。 最初はぎょっとしますが、、、、うーん。これを受け入れられるか。 まあ、カレーは寿司と同じで、素手で食べるものですから。。。。苦笑。 お味は、うーん、お兄さんの指の味、、、ならぬ、全然辛くない、マトンのじっくり煮込まれた柔らかいお味です。 続いて「辛いよ!」と言われたマトカレー。
少しずつ辛さを、、、と思っていましたが、こちらも全然辛くないカレーでした。 ん?もはや小生の舌がおかしいか? いやいや、これは普通の人が食べても辛くないですね。 マトンのお肉が大きかったです。
そしてこちらがロティ。 なんだか小生がまだまだ小さいころ、おやつがなくて、父親が仕方なく小麦粉を練ってフライパン焼いてくれたあの味に似ていました。 軽い塩味がするようなしないような。少し懐かしいお味です。
こちらはチキンレバーのカレー。 砂肝カレーですね。たっぷり入っています。
これはグリーンカレーと言われましたが、野菜とチキンのカレーでした。 ビヤービヤーとカレーがはみ出しているのもインド風? 笑。 いずれもタイのグリーンカレーのような辛さはなく、日本人にはすんなり受け入れられるカレーではないでしょうか。 ところで、カレーといえば右手を使ってみなさん上手に食べていましたね。 お店の中には手洗い場があって、綺麗に洗ってから食べていらっしゃいました。 以前、小生も素手で食べることを試みてみたんですね。ですが、これがまた難しいのです。 人差し指と中指で上手にスプーンを作って食べないといけないのです。 そして指に傷があろうものなら、しみるしみる。 途中不浄の左手を使うのは反則。なんとも恥ずかしい思いをしたものです。 だけど、私たち外国人にはちゃんとスプーンを用意してくれるのでご安心を。
ロティとご飯と両方をオーダー。 そして飲み物はチャイ。
カレーの辛さを一旦お口の中で和らげる役割なのでしょうね。 こちらのお店はインド系をはじめ、マレー系の方も多くいらっしゃいました。 一人あたりの滞在時間は平均15分くらいだったでしょうか。みなさんサクッと食べてさくっと帰って行かれるのですね。 ひとつ気になるものがテーブルに。
「これは何?」と店員さんに聞くと、「スープ」ですって。 お店の名前Tajuddin Hussainはタジュディーン・フセインと発音するそうです。 お父様の代から引き継がれて今に至る味。きっとこれが本国のおふくろの味なんでしょうね。 おご馳走さまでした。 それから気になるお会計は、、、。
RM26-(780円) 内訳がよくわからないのですが、お安く食べさせて頂き本当にすみません。ありがとうございます。 ペナン島は小さい島ながらも多国籍のお料理が気軽に頂けることがありがたいですね。 以上、タジュディーン・フセインさんのレポートでした。 ボンボーノ@ペナン